LEARN 02 · RULES & MANNERS

初心者が
覚えたい、
サーフィンの
ルールと
マナー。

海には審判がいない。だから、みんなで安全に波を共有する。

海に入れば、初心者も上級者も、基本的には同じ波を共有します。 難しいものをすべて暗記しなくても大丈夫。最初に知っておきたい基本を、順番に見ていきましょう。

初心者向け 読了 約12分

サーフィンには、野球やサッカーのような審判はいません。

だからこそ大切なのが、海の中で共有されているルールとマナーです。

まず初心者が覚えておきたいのは、この2つ。

人の邪魔をしないこと。
事故を起こさないこと。

日本サーフィン連盟(NSA)も、ワンマン・ワンウェーブ、左右の確認、 波に乗っている人を妨げずに沖へ出ることなどを、安全にサーフィンするための基本として紹介しています。

01

ONE MAN, ONE WAVE

基本は、
ワンマン・ワンウェーブ。

サーフィンで最初に覚えたいのが、ワンマン・ワンウェーブ(One Man, One Wave)という考え方です。

基本的には、ひとつの波に対してひとりのサーファーが乗ります。より正確にいえば、原則、同じ波の同じ方向にはひとりです。

なぜなら、サーフボードは意外と速いからです。同じ方向へ複数人が走り出すと、ボード同士や身体同士が衝突する可能性があります。

良い波が来て「自分も乗りたい」と思うのは当然です。でも、すでに誰かがその波に乗っていたら、基本的には譲る。まずはこれだけ覚えておきましょう。

02

WHO GOES?

誰がその波に
乗れるの?

同時に何人かが同じ波を狙っていたら、誰が優先されるのでしょうか。

基本は、波が最初に崩れ始める場所「ピーク」に近い人が優先。

例えば波が右方向へ崩れていく場合、その波のピーク側にいるサーファーが優先されます。

大会の「プライオリティ」は、審判と表示で管理される競技上の制度です。一般の海では、まずピークに近い人と、すでに波に乗っている人を優先すると覚えておきましょう。

初心者のうちは、すでに誰かが乗ろうとしていないか確認してからテイクオフするだけでも、かなり事故を防げます。

波が来たらすぐにパドルを始めず、一度左右を見る癖をつけましょう。

03

NO DROP-IN

「前乗り」は
しない。

サーフィンで特に避けたい行為のひとつが、前乗り(ドロップイン)です。

すでに優先されるサーファーが波に乗っている、あるいはテイクオフしようとしているのに、その進行方向へ後から入ってしまうことを指します。

初心者の場合、わざと前乗りすることはほとんどないと思います。ありがちなのは、後ろから人が来ていることに気づかなかったケースです。

右を見る。左を見る。
人がいないことを確認する。

これを習慣にするだけでも、かなり違います。

もし間違えて前乗りしてしまったら、無理に乗り続けず、安全に離脱して、海の上や岸で一言謝れば大丈夫です。最初からすべて完璧にできる人はいません。

04

NO SNAKING

波を横取りする
「スネーク」もしない。

もうひとつ覚えておきたいのが、一般にスネーキングと呼ばれる行為です。

ほかのサーファーが波を待っているところへ何度も回り込み、より優先される位置へ移動して、順番を奪うような行為は避けましょう。

初心者のうちは、むしろ遠慮して波を取れないことの方が多いので、必要以上に心配しなくても大丈夫です。

ただ、「とにかくピークに近づけば波に乗れる」と考えて、人の前へ入り続けるのは避ける。海の中にも、順番や周囲への配慮があります。

05

PADDLE OUT

沖へ戻るときは、
乗っている人の進路を避ける。

沖へ向かうことをゲッティングアウト、通称「ゲット」と呼びます。波に乗ったあと、もう一度沖へ戻るときにも注意が必要です。

目の前からサーファーが波に乗ってきたら、その人のライディングラインへ入らないようにします。

初心者は「波を避けたい」という気持ちから、サーファーが進んでいる方向へ逃げてしまうことがあります。でも相手からすると、進路上へ人が入ってくることになります。

迷ったときは、まず周囲を確認する。そして可能なら、ライディングしている人の進路を空ける方向へ動きましょう。

波や位置によって安全な避け方は変わります。最初はスクールで、実際の海を見ながら教えてもらうのが安心です。

06

HOLD YOUR BOARD

サーフボードは、
意外と危ない。

サーフボードは大きな板です。波の力を受ければ、自分の手から簡単に離れます。

人が近くにいる状態でむやみにボードを放さないこと。特に初心者は、大きくて浮力の高いボードを使うことが多いため、周囲との距離を十分に取りましょう。

リーシュコードは、ボードが身体から離れて流されるリスクを下げる大切な装備です。ただし、リーシュは切れることがあります。救命具ではなく、リーシュだけに頼らないことも大切です。

リーシュを付けているからといって、どこでもボードを投げてよいわけではありません。周囲に人がいないか確認する癖をつけておきましょう。

07

FIND SPACE

最初は、
混雑したピークを避ける。

良い波が来る場所には、上手なサーファーが集まります。初心者もそこへ行きたくなりますが、最初のうちは少し離れた場所で練習する方が安心です。

ピーク付近では、短い時間でいくつもの判断が必要になります。

  • 誰に優先権があるか
  • 波がどちらへ崩れるか
  • 誰がテイクオフするか
  • 自分がどこへ避けるか

まだボードを思い通りに動かせないうちは、良い波を取ることより、自分にも周りにも安全な場所を選ぶこと。最初はそれで十分です。

ただし、人が少ない場所が必ず安全とは限りません。離岸流、岩、強い波などの危険もあるため、スクールや経験者に初心者が練習できる位置を確認しましょう。

08

RESPECT THE PLACE

「ローカル」を
怖がりすぎなくていい。

サーフィンを調べていると、「ローカル」という言葉を目にすることがあります。その海へ長年通い、地域や海岸の環境を大切にしているサーファーたちのことです。

初心者からすると「知らない海へ行ったら怒られるのでは?」と怖く感じるかもしれません。でも、必要以上に身構えることはありません。

  • 挨拶をする
  • ゴミを残さない
  • 駐車ルールを守る
  • 大人数でピークを占領しない
  • 周りの人を見ながら波に乗る

その土地を「サービスを受ける場所」ではなく、誰かが日常的に大切にしている場所として扱うこと。これはサーフィン以前の、ごく普通のマナーでもあります。

09

WATCH FIRST

海に入る前に、
まず5分、観察する。

初心者にかなりおすすめなのが、海へ着いてすぐに入らないことです。5分でもいいので、砂浜から海を見てみましょう。

  • どこから人が沖へ出ているのか
  • どこで波が崩れているのか
  • どの辺りに人が集まっているのか
  • 波に乗った人はどちらへ走っているのか

海を見ているだけでも、その日の流れが少しずつ分かってきます。

サーフィンは、波に乗っている時間より、波を見ている時間の方がずっと長いスポーツです。まず観察することも、サーフィンの一部です。

10

WHEN IN DOUBT

分からなければ、
無理をしない。

海のコンディションは毎日変わります。昨日穏やかだった場所が、今日は難しいこともあります。

波が大きすぎる。流れが強い。人が多すぎる。少しでも怖いと思ったら、その日は入らないという選択肢もあります。

海に入らない判断も、
技術のひとつ。

初心者のうちは特に、自分だけで判断できないコンディションなら、スクールや経験者と一緒に入りましょう。

WHY RULES MATTER

ルールは「怒られないため」に
あるわけではない。

サーフィンのルールを調べると、「前乗りしたら怒られる」「ローカルに怒られる」といった情報ばかりが目に入ることがあります。

でも、本質はそこではありません。

ルールがある最大の理由は、みんなが同じ海で安全に遊ぶためです。

ワンマン・ワンウェーブも、前乗りをしないことも、ライディングラインを空けることも、衝突や事故を防ぎながら同じ波を共有するための考え方です。

初心者だから、波に乗れなくてもいい。ルールを間違えることもある。分からなかったら、スクールや周りの人へ聞けばいい。

大切なのは、自分だけではなく、同じ海にいる人を少しだけ気にすることです。それだけ覚えておけば、最初の一歩としては十分です。

REMEMBER THESE FIVE

最初に覚えるなら、
この5つ。

すべて覚えられなくても、まずはこれだけ。

  1. 01ひとつの波の同じ方向には、基本ひとり。
  2. 02波に乗る前に、左右を見る。
  3. 03すでに乗っている人の前へ入らない。
  4. 04沖へ戻るときは、乗っている人の進路を空ける。
  5. 05分からない海では、無理をしない。

サーフィンは、一人で波に乗るスポーツですが、海そのものはみんなで共有しています。

ルールが分かると、「この波は行っていい」「これは待とう」という判断ができるようになり、海の中に少しずつ余裕が生まれます。

そして周りが見えるようになると、サーフィンはもっと楽しくなります。